中国人はなぜ謝らない

夫と些細な事で喧嘩になったとき、旦那に謝ればすぐに済むことなのに、なんでそこまでして謝りたくないのと切実に言われたことがあります。そんなとき、私も早く喧嘩をやめ、仲良い状態に戻りたいと思っていたけど、どうしても謝れませんでした。その時の心情はいつも「謝るほどの悪いことはしていない」。

「謝る」ということに対する中国人の日本人に対する意識の違いを綴ってみたいと思います。

謝るのは本当に自分が悪いと反省し、責任を持って対等に償うつもりでいるときだけ。死活問題じゃないので、卑屈して謝ると絶対軽く見られ、対等な関係が崩れる。そうしたら、ますます弱い立場になり、やがていじめられるようになる。お互いによくないことだ。。。そんな風に私は考えます。

特に謝罪を要求されたら、なおさら侮辱されたと感じます。日本人がこれを聞くと、大げさだなと思うかも知れませんが、中国人に広く共通する考え方だと思います。それでも日本人の方からみれば、例えば中国人が日本人に手違いで迷惑をかけた場合、日本人相手には謝った方が上手くいくのだから謝るべきところは割り切るべきではないかと思われるかも知れません。それは私も頭では理解していますが、なかなか割り切れるものではないのです。

これは私見ですが、中国人はプライベートではよっぽどのことがない限り、誰が相手でも簡単に謝ることはしません。多くの中国人は、人間の心は言葉より行動に現れると思っているからです。逆にすぐ謝る人は見下されて、口だけの人と思われるでしょう。特に中国人の女性はプライドが非常に高く、自立心が強いので、謝りたくない気持ちはより強いです。この背景には中国社会の著しい女性比率の少なさ、男尊女卑の社会で弱い立場に陥りやすいことが背景にあると思います。

その傾向はビジネスの場でも現れます。例えば、会議で使う資料の間違いを上司から指摘された場合、多くの日本人はまず謝ると思います。一方、多くの中国人は会議に間に合うようまず修正作業に入り、間に合えば自分に非はないと考えるのが一般的だと思います。また、会社の備品を無くしたとき、日本人の場合は始末書の提出を求められるのが一般的ではないでしょうか。しかし、中国の場合、自分で同じものを買ってくるか、自分の給料から弁償金を引いてもらい、弁償がされれば、謝ったりといったことは通常しません。このような対応のしかたは会社のルールに左右されるところだと思いますが、まず始末書という概念自体が中国では一般的ではなく、会社から要求されることもほとんどないと言っていいでしょう。

私は中国人の中でかなり弱気なほうですが、謝ることだけは簡単にはできません。日本で10年以上生活しており、日本の礼儀作法は人間関係を円滑にし、不必要なトラブルを回避できている自負があります。また、日本は中国よりはっきりした社会規範があり、個人的には中国より生きやすい社会だと感じています。来日後すぐに馴染み、あいさつの後に必ず頭を下げ、敬語も人並みに使えるようになりました。しかし謝ることだけは日本人のようにできません。

日本人は子供の時から親や先生に「人に迷惑を掛けてはいけません。迷惑を掛けたら必ず謝りなさい」と教え込まれていると思います。私が中国にいた子供時代を振り返ると、親はよく「あなたは人より劣等に思う必要がない」、「自分が悪いなら、謝りなさい。そして今後しないように改めなさい」というようにしつけられた記憶があります。私同様、すぐに修正できる些細なことなら、謝る必要がないと思う中国人が多いと思います。個人主義でプライドが高いのも関係しているが、根本的に言葉の形式より秘める気持ちを重視しているためだと考えます。

中国人は謝れないのは、謝ることは自分を不利にすることだという恐れから。

そんな謝らない中国人を、どうか無礼と頭ごなしに遠ざけたり敬遠したりしないでください。

中国人の特性をどうか理解して受け入れてくださると幸いです。

相手に謝罪の言葉を求めず、なおかつ自身も簡単に謝らず、問題となっている原因の解決に向けて意思共有ができれば、きっとよい信頼関係が築けるものと思います。

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